SIM 丸ごと地獄。

今日の午後、Higashiosakaの海で気持ちよさそうに昼寝してる人を見た。

流れる雲を眺めながら…
たゆたう海の波間に体を横たえ…

自分の全てを解き放って…
生まれたての姿で…


それはもう、本当に気持ちよさそうで。
俺はついつい、間近に寄って見入っちまった。

おっ！すまねえ。寄り過ぎか？

ここであんたをずっと見ていると、何かを思い出しそうなんだ。
とても大事なことを…



………お袋！！
そうだよ、あんたは俺の母親なんだろ！？

生まれ落ちててすぐに離れ離れになった俺たち親子は、再会したんだ…
この、最果てのSIMで…




再会の記念に、五右衛門風呂で母さんと同じ生まれたての姿になってみるよ。
いやあ、母さんの体力にはかなわないなあ。
今は冬だぜ。ははははは！

…ってか、昼間っから風呂に入ってる俺ってPG的には大丈夫か？ギリ？
心配な俺は、しっかり水着を着用してこの風呂に入っちまってた…

いつまでたっても大人になりきれない、俺………。
親父が側にいたらこうじゃなかったんじゃないか、って思うことがある。
そういや、親父はどうしてる？




……………え？










こんなとこで何やってるんだよっ、親父ぃ！！
ここはHigashiosaka商店街のど真ん中だぜ？！

ブラブラしてて良いのかよ！！
い、いや、そっちのブラブラじゃないけどなっ！





な…
なんだって？！
親父？お袋！なんてこった！

二人とも、なんて変わり果てた姿に…

スカルプボディなのに良いのかよ…無料て…。
そんなに自分を安売りするなよ！（違







………まったく、あんたら夫婦にゃかなわねぇよな！

うわはははははっ！
やらかしてくれるよなぁ。

………なんだよ、違ぇよ。
笑いすぎて腹が痛くなっただけだ。
こんなの、涙なんかじゃねぇや。






こうして俺は、大胆すぎる親父とも無事再会し…
今日から、インベントリに収まった2人と一緒に生きていくと決めたんだ。

あんた達は、こんなにも俺の常識をくつがえしてくれる。
2人を見てると、なんだか勇気が沸いてくるんだ。


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